相続人の1人が音信不通…不動産の遺産分割協議は勝手に進めても良い?
音信不通の兄弟姉妹がいる状態で親が亡くなり、相続が発生した…。
このような場合、遺産分割はどうしたら良いのでしょうか。
ここでは音信不通になっている相続人がいる場合の相続手続きの進め方について解説しますので、相続を予定している方もぜひ参考のために目を通してみてください。
遺言がないまま相続発生!遺産分割協議による遺産分割が必要になる
遺言のない状態で親が亡くなり相続が発生した場合、遺産分割協議によって遺産分割をおこないます。
遺産分割協議には相続人全員の参加が必要なため、1人でも欠けた状態で合意しても、法律的には無効となります。
したがって 相続人の誰かが音信不通の場合、勝手に遺産分割協議をおこなうことはできません。
また、遺産分割協議を成立させることができない結果、「被相続人の預金口座解約」や「不動産の所有権移転」、「貸金庫がある場合、その中身を取り出すこと」もできないので注意しましょう。
ただし「貸金庫を開扉して中身を確認すること(=事実実験公正証書)」は、おこなっても良いことになっています。
音信不通の相続人がいる場合の対処法-円滑な遺産分割に向けて
相続人に音信不通者がいる場合、以下の対処法によって相続手続きを進めましょう。
●音信不通者を探し出す
まずは音信不通者の現住所を確認するため、本籍地の市区町村で戸籍の附票を発行してもらいましょう。
親族であれば書類発行などの手続きもスムーズにできるので、現住所を訪ねたり、手紙を送ったりすることも可能です。
●不在者財産管理人を選任する
音信不通の状態が続くことに利害関係を持つ相続人や債権者などが申立てをすると、家庭裁判所が「不在者財産管理人」を選任し、財産が動かせない状態を解決することができます。
「不在者財産管理人」とは、音信不通者の代理人として、その者の財産を管理する権限を持つ人をいい、一般的には音信不通者と利害関係のない弁護士が選ばれます。
不在者財産管理人は、裁判所の許可を得たうえで、音信不通者の代理人として遺産分割協議に参加し、音信不通者に帰属する遺産等を管理・保管することになります。
●失踪宣告を申立てる
音信不通者の生死不明の状態が長期間(7年以上)続いている場合、家庭裁判所に対し「失踪宣告の申立て」をすることができます(民法第30条)。
ただし、申立てから失踪宣告までに約1年程度かかるため、相続税の申告期限(相続発生を知ってから10か月以内)を過ぎてしまうことも多いようです。
そのような場合は、家庭裁判所に"不在者財産管理人による相続税納付"を追認してもらい、納付相続税額を遺産分割時に精算してもらうのが最善策でしょう。
なお、音信不通者が法律上死亡したとみなされると、不在者財産管理人が管理し音信不通者に帰属予定であった遺産は、音信不通者以外の相続人が取得(または分割取得)することになります。
また、失踪宣告が確定すれば、音信不通者は法律上死亡したことになるため、生きている可能性がある場合は申立てを避けたほうが良いでしょう。
まとめ
音信不通の相続人がいる場合、相続手続を進めるには大変な労力と時間がかかります。
そのような事態を避けるために事前にできる最善の方法は、両親に遺言書を作っておいてもらうことです。
音信不通の兄弟姉妹がいる場合は、専門家立ち合いのもとに「相続人全員による遺産分割協議は不要」となるよう、両親に遺言書を作成してもらいましょう。
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